1.大腸がんのリスク
大腸がんは、死亡率が男性で全体の第3位、女性では第1位の身近な病気となっています。
増加の原因として、食生活や日常生活、高齢化など私たちを取り巻く環境の変化が挙げられます。
食生活の変化では、かっては和食が主体であった日本の食生活が最近では肉類を中心とした動物性タンパク質や脂肪を多く摂取する欧米型の食生活に変わりました。その結果、腸内細菌が有害物資を発生させてがんの発症をそくし、便の停滞時間が長くなり、代謝によって生じる発がん物質が影響を及ぼすなどのリスクが増えています。
日常生活では、現代人は便利な家電製品や交通手段の発達によって体を動かす機会がへり、運動不足の人が多くなりました。また、過剰なストレスを受ける機会も多く、腸がストレスや精神面の影響を強く受けてしまうケースが増大しました。
さらに、大腸がんは40歳からが、大腸がん年齢といわれるように罹患者数が増え、高齢になるほど患者数も死亡率も高くなるため、高齢社会に伴い、増加しています。
2.発生の仕方
これには二つあります。一つは大腸の粘膜に良性のポリープができて、何らかの刺激を受けてガン化するもので、ポリープ型と呼びます。ポリープはキノコやイボのように盛り上がった腫瘍で多くは良性ですが、一部はがんになります。
もう一つは、発がん刺激を受けた正常な大腸の粘膜に直接がんが発生するものでディノボ型と呼ばれ、平坦な形をしています。ディノボがんはポリープ型より早期に進行がんになりやすく、転移のスピードも速いといわれています。
3.検査方法
便を摂取して便の中の血液の有無を調べます。検査は二日に渡って便を2回採取するのが主流となっています。
精密検査では、大腸内視鏡検査が行われます。大腸の粘膜の様子が細かいところまで画像に写し出されます。直径が5ミリ程度のがんも発見でき、良性か悪性かを識別し、小さなポリープを切除することもあります。
最近は、大きく映し出される画面によって粘膜下層より深く入り込んだがんの広がりの有無などを推測できる拡大内視鏡が開発され、ピットパターン診断といわれています。
高額療養費制度については、厚生労働省のホームページで確認できます。
ほすぴより